MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
☆ウエディングプランナー青木のため息
ノックをして返事を待ち、ドアを開ける。
今日の依頼人は俳優の瀬野将だ。
12月にモデルとのキスシーンが週刊誌にスッパ抜かれ、すぐに婚約会見をした。
まさか、うちへ式の段取りの依頼がくるとは思わなかったけれど。
それも、式まで1ヶ月もない。
しかも元旦。
結構無茶な依頼だと思ったけれど。
聞けば、披露宴は後日で。
教会で、本当に身内のみ…20人程度の参列者で、式のあとは食事もなし。
アフタヌーンティーを頂いて少し歓談をしてお開きという、ものすごく質素で、シンプルな式の要望だった。
まあ、これなら何とか…と思ったが、やはり式までに打ち合わせは必要で。
3度ほど、打ち合わせをすることになった。
だけど、信じられないことに。
その打ち合わせ初日に現れたのは、瀬野将1人。
「今日、葉山様は…。」
普通、結婚式って女性の方が盛り上がるんだけど…。
思わずきいてしまった。
すると瀬野将はため息をつき。
「仕事が忙しくて…。文句いわないからって、全部まかせられてね。」
眉毛を下げながら、そんな事を言った。
ええっ!?
だって、瀬野将って人気俳優でしょ?
仕事が忙しいって?
普通、反対なんじゃ…。
驚きを隠せなかった。
それに、天下の抱かれたい男、瀬野将と結婚できるだけでもう、尽くしまくらない?普通は。
案の定、決定しなければいけないことがあまり決まらなくて、その日は打ち合わせは進まなかった。
「申し訳ないのですが、葉山様にお越し頂かないと、やはり決められない事もありますし…。」
最後はそんな事を言った。