MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
そして、数日後。
2回目の打ち合わせ日。
驚いた事に。
瀬野将は、葉山様と現れた。
葉山様は、それはもう。
信じられないくらいテンションが高くて。
段取りにも興味津々。
葉山様の好みと照らし合わせ、瀬野将と相談しながら次々と決めていった。
はっきり言って、とてもはかどった。
だけど、やっぱり、信じられない。
何で、式の打ち合わせに。
結婚する新郎と。
結婚する新婦の…。
兄と2人で打ち合わせするの?
しかも兄の葉山様は、新婦の好みを熟知しているようで。
迷わずにどんどん選んでいく。
「だけど、何でだ?葉山さん何で、レイの好みをこんなに知ってるんだ?」
瀬野将も不思議に思ったらしく、不思議そうな顔。
すると、新婦の兄葉山様は、満面の笑みになった。
「そりゃー、昔からレイの物は俺が買っていたし。買い物も高校2年まで、一緒に行っていたからな。」
「ええっ?」
「ほら、あの通り、レイは照れ屋であまのじゃくだろ?ついていって、上手くフォローしてやるとスムーズなんだよ。店員と話すのも苦手でな。で、店員に進めらると嫌でも嫌っていえなくて、で俺だと嫌なもんは嫌って言うから。」
凄く、面倒くさそうな性格みたいだけど、葉山様はなんだか、物凄く嬉しそうで。
妹思いの兄なんだ。
だけど、瀬野将はおもしろく無さそうな顔をして。
「なんか、ムカツク。今度、俺もレイと買い物いこう!」
驚いた!
大人キャラの瀬野将が拗ねている!?
瀬野将って、こんな性格だったっけ?
そして、3回目の打ち合わせも。
新婦の葉山様は来ることはなく。
新婦の兄、と瀬野将が打ち合わせに現れた。
もちろん、兄葉山様のおかげで。
スムーズに進んだ。
だけど、何となく。
納得がいかなかった。
こういう打ち合わせに現れないって、何となく・・・。
瀬野将の事が好きじゃないんじゃないかって、そんな風に思えた。
本当はこんなことまで考える必要はないし、ウエディングプランナーの仕事でもない。
これは、完全に。
私の個人的な、気持ち。
瀬野将は、私の初恋だったから。
私たちは、小学6年生の2学期の途中まで同じクラスだったから。
瀬野将が転校するまで―――