MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
そして、俺達を追ってきていた他の取材陣もシン、と静まりかえった。
確かに、レイに睨み付けられると迫力があって、ちょっとビビるよな。
レイがため息をついた。
「お約束は10分間で、取材もここで終わって頂く事になっていましたよね?」
「でもっ、まだ…。瀬野さんのファンの皆さんだって知りたいはずです!」
西村の言葉に、これ以上は黙っていられないと思った。
「今の言葉を訂正して下さい。」
出たのは少しキツイ口調だった。
「瀬野さん?」
「失礼ですけど、聞きたいのは西村さんですよね?レイが俺と結婚したのは売名行為じゃないかって言われましたが。貴女の意見だと思って世の中には色々な考えの人がいるからって、あえて反論はしませんでした。だけど、レイが売名行為で結婚するなんて事あるわけないじゃないですか。ファンの皆さんだって、長い間応援してくださっている方が多くて・・・俺、本当に感謝しています。今回のノミネートだって、ファンの皆さんが応援し続けてくださったからだと、心から思ってます。なのに、俺のファンの人達をバカにしないで下さい。俺が、売名行為が目的の女に騙されるような男だとファンの人が思っているわけないじゃないですか!映画だって、舞台だって、毎回たくさんのファンの皆さんが足を運んで、ファンレターだって・・・。西村さん、貴女が思っているよりずっと、俺とファンの人達は繋がっているんです。俺のファンの人達はそんな風にうがった心を持っているわけない!」
結局、キレてしまったんだろう。
興奮して、思った事を言ってしまった。
完全にキャラ崩壊だ。
取材陣はいつもと違う俺に、少し驚いたようだったが、一瞬間を置いて、西村を除くレポーターから、拍手が起こった。
「え?」
逆に今度は俺が驚いた。
なんで、拍手?
レイが横でクスリ、と笑った。
そして。
「よかったじゃない、ファンの皆さんに感謝の気持ちを結果的に伝えることができて。」
そんな事を言うから、一気に怒りのボルテージが下がってしまった。
西村はバツが悪そうに、黙り込んでしまった。