MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
ホテルに着いて、チェックインをした。
ムッシュージレが手配してくれたらしく、随分、スムーズだ。
今回、私が同行することになって、通訳を私がかってでた。
他の人なら面倒なので、関わらないが、将の事に関しては黙っていられない。
芸能界のことはよくわからないが、言葉に関してなら私にも言い分がある。
言葉というのは本当に厄介なもので、訳し方1つでニュアンスが変わってくるからだ。
私がフランス語が出来ないのなら仕方がないが、少しでも将の役にたちたいので木村さんに伝えたら、とても喜んでくれた。
「だけど、本当に今回助かったよ、うちの事務所はそんなに大きくないし、まさかフランスで仕事になるなんて思ってなかったから、フランス関係で信頼できるスタッフもいないし。レイちゃんは結構、フランスに来る機会とかあるの?」
チェックインを済ませ、部屋へ向かう間、歩きながら木村さんが聞いてきた。
「あー、中学の時にフランスと日本のハーフの同級生がいて、丁度フランス語を習っていて・・・その頃にフランス語はマスターしたんですけど。中学から高校の初めくらいに私がフランスにハマってたから、よく典幸がフランスに連れて来てくれたり…。医者になってからは、研修で何度か来てるし…。まあ、フランスは好きだし慣れてますね。」
そう言うと、木村さんが、スゲーな、ってため息をついた。
別に凄くはないけど。
私が首を傾げると、手を繋いでいる将が、じゃあレイは俺から離れないでよ、通訳の仕事もかねてるんだからねっ!?と上機嫌になった。
「まあ…わかった。とりあえずこの3日間、将の仕事関係はフォローするから。」
何か、将が調子に乗りそうなのでサラリと答えておいた。
だけど、その答えは将のお気に召さなかったようで。
「何で?仕事関係だけ?勿論、プライベートでもね?」
「いや、プライベートになったらちょっと1日、行きたいところあるし…。」
「どこ?俺も行く!」
「え、行ってもつまんないよ?病院関係だよ?」
フランスにきたついでに、知人のジョルダン博士に会いに行こうと思っていたのだ。
「いい、一緒にいく。」
はあ、ダメだ。
私の言葉に将が拗ねた。