MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
今日はやることがあるからとレイに言われ、別々に風呂に入った。
俺は木村さんからいくつか伝達事項があって、先にレイが風呂に入ったんだけど。
で、俺が急いで風呂に入って出てくると。
パソコンに向かって仕事をしていた。
結構な枚数のプリントで。
全部英語で書かれている。
いくつも赤線が引いてあって。
ところどころに、書きこみがしてあって。
その書きこみも、全て英語。
考えたら、凄いよな……。
T大首席で卒業して、30歳前で大学挙げての研究のチームリーダーになってたんだもんな。
アメリカやフランスにまで親しい研究者がいて。
学生にだって憧れられて。
咥えタバコで上を向き、暫く目をつぶっていたと思ったら、いきなりプリントの空いている個所に英語で何かを書き始めた。
それを何度か繰り返したところで、書きこみを読みなおし始めた。
その間タバコを4本吸った。
5本目に火をつけ、書きこみを線で消したり丸でかこんだりして…それをもとにパソコンに打ち込み始めた。
結構長文になって、それを張り付けてメール送信をした。
全部英語だからどこへ何を送ったのかはわからないが…。
それで終わりかと思ったら、分厚いファイルを持ち出して。
そのファイルには膨大なふせんがついていて。
また、書きこみやらアンダーラインが引いてあって……。
突然レイが振り返った。
「ごめん、将。私夢中になっちゃってて。明日も1日大変なんだから、先に寝てくれない?」
あまり感情のない声でそう言った。
「明日も大変なのは、レイも同じだろ?寝ないと持たないぞ?」
レイに一緒に寝るのは嫌だと言われたようで、ショックだった。
「私は大丈夫。夜勤で徹夜は慣れてるし。それに、今回主役は将なんだよ?宣伝もちゃんとしないといけないし。」
「だけど、レイと一緒に寝たい…一緒じゃないと嫌だ。」
俺がそう言うと、レイが困った顔でため息をついた。
「今回さ…私、最初同行するの断ったよね?それって、今忙しくて、物理的に仕事を置いて海外へ行くのが難しい状況だったからなの。だからここへ来るためには仕事を持ってきているの。これを片づけないと、私の仕事の方が火をふくわ。」
そう言われると、何も言い返せない。