MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
「じゃあ、少し話しをしたいんだけど。」
せめて、さっきの『シェリル』の件は話をしておきたい。
そう思ったのだけど。
レイが首を横にふった。
「私のレポート待ってもらってるの。あと2時間くらいのうちに送らないと、先方に迷惑がかかるから。」
そう言われるとこれ以上レイの邪魔はできなくて。
俺はレイにキスをして、お休みと言おうとした。
だけど、レイは。
フイッ、と顔をそむけた。
俺は、とてもショックで。
暫く固まってしまった。
そして諦めた俺は、ため息をつくと、レイの頬にキスをして。
今度こそ、おやすみ、と言って奥のベッドの置いてある部屋に向かった。
レイは無言でパソコンに向き直り、打ち込み始めた。
俺はやるせない気持ちで、ベッドに入った。
だけど、明日は大切な日だ。
レイの言う通り、きちんと眠っておかないとダメだ。
レイも俺も、今はしなければならないことがある……。
俺は落ち込んだ、最低な気分で布団をかぶった。
「ん……。」
やっぱり、もう。
レイを抱いて眠らないと、よい眠りも訪れないのだろうか。
俺は浅い眠りから覚めた。
ダブルベッドの俺の横に手をのばしても、おもった通りレイはいない。
起きた瞬間にレイの気配がないことなんてわかっていた。
レイ…。
時計を見ると、深夜0時30分。
眠ってから1時間半か……。
レイはまだ、仕事が残っているんだろうか。
ベッドから、起き上がりドアの方に向かうと。
話声がした。
驚いて耳を澄ますと。
レイの声と。
女性の声。
ん?
徳井さん?
何でこんな夜中に?