MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
これ、絶対に面白がってやっただろ?
徳井さん…。
日本に帰ったらゆっくり飲もうね、とレイに告げると、徳井さんはそそくさと部屋を出ていった。
それも。
出ていきぎわに、俺の顔を見てニヤリ、とするのを忘れずに。
はあ。
確信犯だろ。
まあ、それでも。
レイの気持ちをしっかり聞けたんだから。
徳井さんのおかげ、って言えばそうなんだけど。
レイは、俺に背を向けて、あらぬ方向を見ている。
そして、落ち着かない様子でタバコに手を伸ばした。
だけどそれを俺が遮った。
レイの手を握って。
「今は、タバコ禁止。」
握った手をそのまま引き寄せ、腕の中にレイをおさめた。
「ちょ…え?何で禁止?」
レイが俺の腕の中で恥ずかしそうに俯く。
俺は、レイの顎に手をかけて。
「だって。キスするのに、タバコ邪魔だろ?」
そう言ってレイの顔を上げ、キスをした。
心を込めて。
レイの腕が俺の背に回る。
ぎゅうっとしがみつくように力がこもる。
それだけで、愛されていることがわかる。
「レイ、レイ…。」
唇を離して、抱き締める。
「将…。」
レイが俺の名前を呼んだ。
「ん?」
「……。」
「どうした?…あ、ちゃんと、レイに話をするから。」
そうだ、ちゃんと話をしておかないと。
寝室で話そうと思って、手を引いたが。
レイが動かない。
「ん?」
レイの顔を見ると、赤い顔で睨んでいる。
「将…また、立ち聞きしたでしょう?」
どうやら、聞かれてはまずい本心だったらしい。
ぷ。