MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】


その後、将が何か言いたげにしていたが、全てスルーで、ただ通訳に徹した。

将の映画は、結構評判もよく、沢山来場があったそうだ。

会場は18時に閉まるので、その頃私達は会場をでた。



「Rey!」


ホテルに着くと、うしろから、呼び掛けられた。

中学の同級生のアランだ。

昼間私の頬にキスをして、将がキレた…。


「どうしたの?」


近くによると、手を持たれ、手のこうにキスをしてきた。

その瞬間、私の周りの温度が下がったような気がした。


「ん、いつかえるの?帰る前に食事でもしよう。」

「アラン。私、結婚して旦那さんも一緒なの。できない。」


話しているのは、フランス語だ。

だけど、アランが急に日本語になった。

しかも。


「じゃあ、俺がレイのファーストキスと初体験の相手ってばらしていい?」


って、バラしてんじゃん!


「は!?」


案の定、将が反応した。


まずい。

非常に。

とりあえず、どうしようか…と思っていたら。


そこへ、ウィリス。

ばたったり会ってしまったというわけだ。

まあ、ばったりといっても、ノミネートされた人はこのホテルに宿泊だから、会っても可笑しくないんだけど。

ウィリスは冷たい表情だった。

オリバーのオッサンとインタビューに応えたことや、将の映画をオッサンとみたことなどはもう、耳に入っているらしい。

ギロりと将を睨み付け、将が話し掛けようとすると。


「結局、いつもお前はそうだ。俺がどんなに努力しても、お前がいいところを全部持っていく。だったら、俺にも考えがある!」


そう、吐き捨てるように言うと、去っていった。



残された、私とアランと、将…。


ど、どうしよう。



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