MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
⑤感じるか、感じないか(サイド将)
2人で部屋に戻った。
途中、ずっと無言で。
カードキーを差し込みドアを開けると、レイを先に部屋へいれた。
レイが直ぐにヒールを脱いで、寝室へ向かった。
俺は、ビール2缶を冷蔵庫から取り出し、レイの後を追った。
寝室へ入ると、レイはショーツ姿だった。
「あ……。」
見事な肢体。
それを見ただけで、腹の下あたりがカッと熱くなる。
レイはそんな俺にお構いなしで、バスローブをはおった。
多分、一刻も早くスーツを脱いでリラックスしたかったのだろう。
俺も、レイを見習い、スーツを脱ぎだした。
そんな俺をレイは横目で見て、寝室を後にしようとしたが。
「ダメだ。このままじゃ。お互いの気持ちをきちんと話しあわないと。俺は嫌だ。」
俺はレイの腕を掴んだ。
そして、掴んでいない方の手に缶ビールを渡す。
レイが俺を見上げた。
少し、揺れる目で。
「…将、怒ってないの?」
「・・・何に対して?」
「……………だから……アランの、言動……に対して。」
とても言いにくそうだ。
そりゃそうだ。
俺はため息をつくと、レイをソファーに座らせた。
俺も下着になり、バスローブをはおった。
レイの隣に俺も座る。
レイは俺の一挙一動を見ている。
「色々…我慢できない感情や、言いたいことはあるけど、だけど。」
レイの手を握った。
「だけど…な、に?」
俺はレイを見つめる。
「だけど、一番言いたいことは、レイを愛してる、って事。」
そう言った瞬間。
レイの表情がグニャリ、と歪み。
瞳は、涙で滲んだ。
俺の特権。
素早く、レイの目じりを拭う。
「しょ、う…。」
「ん?」
返事をしながらレイを抱き上げ、膝の上に座らせる。
横抱き状態で。
レイが俺の首に腕を回し、頬をくっつけた。
「私も……愛してる。将、は私のもの…だし。」
物凄く、口ごもりながら、レイがそう言った。
はっきり言って、驚いた。
レイは、こういうことを言うタイプじゃない。
「レイ…顔見ていってよ。」
レアなレイをしっかり見たい。
だけど、案の定思いっきり抵抗された。
いや、普通こういうことは顔見て言うだろ?
まあ、極度のれてやのレイには酷だろうけど。
でも、本心だ。