恋色花火
第一章

好きなヒト

「……それでねっ、やっと今週末会えるんだぁ!」

「そっかー!よかったじゃん、友奈!
デート楽しんできなよーっ」

「うん、ありがとね、杏!
じゃあ、そろそろ切るねー。バイバイ!」

「うん、またねーっ」


ピッ。


友奈との電話が終わって、あたしはスマホの電源を切った。

7月に入って、夕方の気温も高い日が多くなってきた。

制服は半袖のYシャツでも暑いくらい。


そんな夏の日の夕方の学校からの帰り道。

あたしはなんとも言えないような気持ちのまま、歩いていた。






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