恋色花火
「ここ、8月3日だよね、2日目って」

ここが持ってきたクッキーを食べながら、あたしの席でお祭りのことについて話し合っていた。

「うん、たぶん。
5時にいつものコンビニに集合して、ご飯とか買ってから行かない?」

「それいいね!
……じゃあ、またメールする!そろそろ部活行かないとっ」

「強豪校の可愛い女子マネージャーは大変ですねーっ!……がんばれ、杏!」


ここのその言葉が、ふたつの意味を表していることを、あたしはすぐに理解した。

ひとつは、マネージャーの仕事。


もうひとつは……、彼のことかな。

ここは、あたしの恋愛事情を知ってる数少ない友達のひとり。

いつもなにかしらあたしはここに彼のことを話す。部活のこととか、友奈とのこととか。

でも今日はなにも話さなかったから、気になったのかもしれない。

そんなここの、優しく、力強い応援だった。


「ありがとっ!ここも部活頑張って!」


ばいばーい!と言って、あたしは教室を後にした。





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