恋色花火
「おーい杏ー!お、か、わ、り、くれ!」

「はいはーい!てか、勇河(ゆうが)先輩、飲みすぎだしっ。動けなくなってもしらないよーっ」

「は?おまえ、俺が干からびて死んじゃってもいーの?うわー、ちょー悲しいんですけど」


あたしたちの、毎日のようにあるこんなやりとり。

この人は、青柳勇河(あおやぎ ゆうが)。

あたしのひとつ上の2年生。


小学校の頃から、家が近所っていうこともあって、ずっと仲がいい。

まあ、幼なじみみたいなもんかな?


「こらお前たちー、仲良いのはわかるけど、イチャつくなら外でやれよーっ」


挙句の果てに、部長である3年生の西宮晴(にしみや はる)先輩にこんなことを言われるハメに。

「ハル先輩、なに言ってるんですかー!
やめてください、こんなバカと」

「おい杏!おまえなーっ!
俺だってイヤですよ、こんなアホ!」


その言葉に少し痛むあたしの胸。


「はいはい、わかったよ。
ほら、ゲーム入るぞ!マネージャー、スコアとタイマー、よろしくね」

はい、と言って、とりあえず解散。




あーあっ、またやっちゃった。


ほんとあたし、何やってんだろ。


……ほんとは、こんなに好きなのに。





< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop