プロミス〔疑惑のグロス・番外短編〕
プロミス

ゆたが出て行った部屋で一人、ぼーっと余韻に浸っていた。


ついさっきまで、この部屋にいた男の子に、私は生まれて初めての告白をされたのだ。


誰かに好きだと言われるシーンは、もっともっと、甘いものだと想像していたのに。




――まさか小さい頃からずっと顔見知りのヤツに、その台詞を言われるなんて思ってなかった。




テーブルの上に置かれた小瓶。

中には、たくさんの小粒キャンディが詰まっている。


甘い、甘い、ガラスのような粒。

蓋を開けて、一つ取り出した。

口に含むと、甘味料のしつこい甘さに思わず目をつぶった。

< 1 / 14 >

この作品をシェア

pagetop