プロミス〔疑惑のグロス・番外短編〕
プロミス
ゆたが出て行った部屋で一人、ぼーっと余韻に浸っていた。
ついさっきまで、この部屋にいた男の子に、私は生まれて初めての告白をされたのだ。
誰かに好きだと言われるシーンは、もっともっと、甘いものだと想像していたのに。
――まさか小さい頃からずっと顔見知りのヤツに、その台詞を言われるなんて思ってなかった。
テーブルの上に置かれた小瓶。
中には、たくさんの小粒キャンディが詰まっている。
甘い、甘い、ガラスのような粒。
蓋を開けて、一つ取り出した。
口に含むと、甘味料のしつこい甘さに思わず目をつぶった。