プロミス〔疑惑のグロス・番外短編〕
「なにやってるの!家の中でボール投げたらダメって言ったでしょう!」
何かが割れた音を聞きつけ、おばちゃんが血相を変えて飛んできた。
窓の手前にあった、陶器のお人形にボールがぶつかり、粉々に壊れてしまったのだ――。
泣きながら謝るゆたは、決して私のせいにはしなかった。
ごめんなさい。ごめんなさい。
そればかりを繰り返す。
おばちゃんも私がいる手前、それ以上叱るのを止めて店に戻ったが、二人になった途端、私たちには気まずい雰囲気が流れた。