プロミス〔疑惑のグロス・番外短編〕
しくしくと声を殺して泣きまくるゆた。
どうしていいのかわからず、口を結んだ私。
ゆたは、私のためにしてくれたことで、おばちゃんに大目玉を食らったのだ。
いつもは意地っ張りで謝れない私も、さすがに罪悪感が込み上げ、重い口を開いた。
「ごめんね……ゆた……」
ゆたはその言葉に、涙を拭いながら静かにこくんと頷いただけだった。
「もう、アイツいないよ」
しばらくして思い出したように窓の外を見たゆたが、笑いながら言った。
「ほんとだ。いつの間に。ゆたのおかげだね」
憎まれ口を叩く気など起こらなかった。
本当なら、私が怒られている場面で、ゆたが責任をかぶってくれた恩は、私にだってちゃんと感じていたのだ。