プロミス〔疑惑のグロス・番外短編〕
「きゃあああああ!ゆたああああああ!」
けたたましく響く声に、ゆたは一瞬にして、スーパーマンの顔になった。
窓を開けて、ヤツを掴もうとするゆたに、泣きながら懇願する私。
「窓は開けないで!入ってきたらいや!」
家の中から、外側に張りついているヤツを落とすのは至難の業だ。
私のお願いとあれば、ゆたは窓を閉めるほかなく、一生懸命ガラスを揺らしてみたり、叩いてみたりと必死だった。
なかなかしぶといアイツは、小さな振動には微動だにしない。
ゆたもだんだん焦りの色が見えたのか、玄関からボールを持ってきて、窓に思い切りぶつけた。
その瞬間……耳にささるような破壊音がした。