ヒナタちゃんの就活
東都航空といえば、日本に名だたる、「超」がつくほどの一流企業。

そこのフライトアテンダントといえば、これ以上のステイタスはない。

日向が狙っているのはそれ。

そして、ここにあつまった男女もそのステイタス狙いの学生だ。

男子はいざしらず、女子は、その一部が日向と同じフライトアテンダント狙い。

そう考えると俄然、敵対心が沸いてくる。

絶対に負けないわ。

受け付けには、さすがは一流企業と思わせるだけの品のいい、女性社員が応対している。

「こんにちは」

日向は声をかけられる。

「こんにちは」

日向も精一杯、自分の中の最大限の品のいい声をだした。

受け付けの女性社員は、日向に微笑んだ。

品のいいもの通しが感じ合う何かがあった…はずだ。

「お名前と学校名をお願いします」

「向井日向。東首都大学から来ました」

受け付けの女性社員は、手元にある参加学生リストから、日向の名前を探して、マーカーでチェックした。

「向井日向さんですね。おはいりください」

受け付けの女性社員は、会社概要とおぼしきパンフレットを日向に手渡した。

予定時刻の5分前だ。
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