ヒナタちゃんの就活
集団面接は、学生5人がチームになるようだ。

面接の部屋は、3つあるようで、3チーム、15人が一度に面接する様子だ。

だが、日向の番は500番目ほど。

かなり時間がかかりそうだ。

先頭から順番に面接室に動き始めた。

面接室は、この説明会があったホールと同じ階にあるようだ。

15人が面接に入ると、残りの待っている学生達は、休憩時間のようになった。

友達同士で学生が集まり、話をし始めた。

日向は、一人で来たので、話相手がいない。

見るともなく、もらったパンフレットを眺めたり、聞くともなく周りの話を聞いていた。

すると、後ろから声をかけられた。

「ヒナタ!」

日向は、振り返った。

黒髪をセミロングにした女の子が立っていた。

誰だっけ?

日向の表情に向こうも気付いたようだ。

「アタシのこと、忘れた?アイよ、アイ」

言われて、はじめて日向は思い当たった。

「ああ!アイちゃん!」

田中愛。

日向と、高校では同級生だった。

日向は言った。

「高校以来じゃない?でも、アイちゃん、雰囲気変わったね。分かんなかった」

愛は、高校時代はもっと地味なイメージがあったが…

大学デビューってやつだろうか?
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