ヒナタちゃんの就活
面接室は大きめの部屋をパーテーションで、3つに区切っていた。

まだ、終わっていない別のグループの面接が見えた。

何を話しているのかまではさすがに聞こえなかったが、ピリピリとした緊張感が伝わってきた。

日向や愛のいるグループ5人は、自分達のパーテーションに案内されて進んだ。

先頭の女の子が、大きな声で挨拶をした。

次の日向もそのこえに慌てて、挨拶をした。

面接官と思われる人達が微笑みながら会釈を返してきた。

面接官は2人。

一人は、温厚そうな恵比須顔の男性。初老で、白髪混じりだ。

もう一人は、キャリアウーマンという言葉を彷彿とさせるような、フォーマルなスタイルが似合う女性。
軽く、カールのかかった髪が魅力的で、ほっそりとした指は、洗練された身のこなしを感じさせる。

彼女のきれいな指の中には、シルバーの高価に見えるペンが握られている。

おそらく、彼女は面接の際には、書記にまわるのだろう。

年齢は30前後か。

面接官の前に日向達5人が並んで立った。

「これから面接を行います。面接の前にお名前を確認しますので、違ってたら指摘してください。では、みなさんおすわり下さい」

促されるままに日向達は座った。
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