空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
でも、本当に似てる。
あの構え方も、あの目つきも……相原先輩だった。
「だけどっ!相原先輩には敵わないってところ見せつけてやるかな」
そういって、前井先輩はバッドを持って逞しく青空の下へと出て行った。
その姿はもう、藤青のキャプテンそのもので。
キラキラと輝いて見えた。
__カコーン……
2番バッターの梶くんがバッドにボールを当て、ファーストと、セカンドの間をボールが抜けた。
ヒットっ!
「「走れっ!!梶くんっ!」」
ベンチから飛ぶ、アルプスから飛ぶ数々の声。
その声が梶くんの背中を押す。
「セーフっ!」
ギリギリでなんとか1塁に駆け込んだ、梶くん。
肩で大きく息をしているのがここからでもわかる。