空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
「おーい!夏樹。何先に口説いてんだよ。ちょっと、2人ともこっち来い」
巧先輩が手招きすると、2人ともゆっくりとこちらへ歩いてくる。
真帆はあたしに気が付くと、笑顔であたしのほうへと駆けてきた。
「えーっと。新1年も今年は20人以上入って、マネージャーもこの2人に決まった。まぁ、軽く自己紹介して、今日は終わるぞ。」
部長がそういうと、皆の顔が見えるように大きな輪になる。
真帆はあたしの隣で、やったねっていって、にこにこしている。
今でも信じられない。
あたし、ちゃんと藤青野球部のマネージャーになったんだ。
「はい、次、マネージャーいえよ」
巧先輩が、あたしたちのことを見て、指示してくる。
すると、真帆が小声で、あたしから言うねっていって、先に自己紹介を始めた。
「藤青野球部のマネージャーをすることになりました。1年の三浦真帆です。野球のルールはこれから少しずつ学んでいくつもりです。よろしくお願いします」
真帆が言い終わると、ぱらぱらと拍手が起こる。
次はあたし番か。
あたしは小さく深呼吸をして心を落ち着かせた。