空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
憧れ
「彩ー!部活何にする?」
「野球のマネっ!」
「……あんたさ。今年の野球のマネの志願者数やばいよ。もう20人超えてるってさ……」
「でも、絶対に野球のマネじゃないとあたし部活はいらないっ!」
「……始まった。彩の野球バカ」
入学式も3日前に終えて、ようやく高校生としての自覚が出てきたある日の放課後、
あたし、1年の西本彩(ニシモト アヤ)と幼馴染の三浦真帆(ミウラ マホ)は教室の机で隣同士に座って、部活について相談中。
野球部人気なのは知ってたけど……。
そこまでとは……。
でも、あたしはこの高校に野球するために来たんだもん!
そこは絶対に譲るもんか。
「真帆も野球のマネしようよー!面白いよ、野球!」
「えー……。もしかして彩知らないの?今年の野球部のマネの志願者数があまりにも多いから、今年はキャプテンが、面接とかで決めるらしいよ」
「……げ……。め、面接!?」
真帆は、やっぱり知らなかったんだーって顔であたしを見てくる。
「それでもやりたいの?」
真帆があたしに最後の追い打ちをかける。