空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
あたしが悪いんだよ。
真帆が正しいんだよ。
真帆の言葉でやっと気づいた。
やっと、あたし、何してるんだって思った。
ここは、甲子園。
ここは、夢の舞台。
こんなところで、立ち止まっていられない。
相原先輩が目指しているのはきっと頂点。
あたしが、力を貸さなくてどうするの?
空さんの代わりにはなれないけれど、応援することはできる。
全力で応援することはできる。
「あたし、決めた」
真帆の前で宣言しよう。
あたしが、また泣きそうな顔をしていたらおこってもらえるように。
「もう、あたし、笑顔を絶やさないよ。絶対に絶対に、勝ちたいから」
いや、勝つんだから。
これは、油断ではなくて、自信。
「ふふっ……。いつもの彩に戻ったね」
そういって、真帆は涙で泣き腫らした目をあたしに向けた。
もう、大丈夫。
あたしは、一人じゃないよ。
真帆がいる。
こんなにも力強い親友がいる。
藤青野球部のマネージャーはこんなところではへこたれない。
二人三脚で、立ち向かうんだから。
さぁ、いこうか。
前を向いて。
笑顔を絶やさないで。
向かうは将星っ!