空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)


真帆はいつもこう。


そして、いつもまとめてくれるのは……



「明日の練習は、内野の守備と、各自の苦手コースのバッティング練習中心にやればいいんだな」



真帆の隣にいた辻先輩がピシッとまとめてくれる。


いつもは、相原先輩とふざけあっているのに、こういう場になると、皆を引っ張って行ってくれるとても頼もしい先輩。


隣の真帆は安堵の表情だった。



「よし、じゃー、これでミーティング終了だ!何か言いたいことあるやついねぇか?」



そういって、キャプテンはあたりを見渡して、あたしを見て目を止めた。



「おお、彩。片づけありがとな。言いたいこと、こっち来て言え」



そういって、キャプテンはあたしが入れるように少し間を開けてくれる。


あたしは、ゆっくりと、皆の集まっている輪の中に入り、あたしだけが立っていた。


皆の視線があたしに集まる。


もちろん、相原先輩の視線も。




「あの……まず……。すいませんでしたっ!」



そういってあたしは深く頭を下げた。



「お、おい。どうした、彩。お前なんか悪いことしたのかよ」



キャプテンの優しい声が聞こえてくる。


あたしはぐっと唇をかんで、顔をあげた。


< 86 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop