空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
「ねね……。真帆」
「な、何?」
「これ、夢じゃないよね?」
「なんなら、あたしが彩の頬つねってあげようか?」
「もう、あたし何回も自分の頬つねったよ……だからだから……。
あたしたち、本当に……
優勝……しちゃったんだ、よね?」
目の前に広がるは、茶色と緑のコントラスト。
そこに響くは……
藤青の校歌。
そして、そこに逞しくたたずむは
「藤青学園高校。優勝、おめでとう」
我が、藤青野球部。
夢じゃない。
これは事実であって、あたしたちは……全国ナンバーワンに輝いたんだ。
校歌をうたっているとき、相原先輩が空に向かって微笑むのが見えた。