空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)




「ねね……。真帆」



「な、何?」



「これ、夢じゃないよね?」



「なんなら、あたしが彩の頬つねってあげようか?」



「もう、あたし何回も自分の頬つねったよ……だからだから……。

あたしたち、本当に……



優勝……しちゃったんだ、よね?」




目の前に広がるは、茶色と緑のコントラスト。


そこに響くは……


藤青の校歌。




そして、そこに逞しくたたずむは



「藤青学園高校。優勝、おめでとう」



我が、藤青野球部。


夢じゃない。


これは事実であって、あたしたちは……全国ナンバーワンに輝いたんだ。



校歌をうたっているとき、相原先輩が空に向かって微笑むのが見えた。





< 89 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop