空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
だよね。
そうなるよね。
なんであたしこんなとこにいるかって、普通疑問に思うよね。
あたしは、そんな相原先輩に構わずに、大きな花束をぐっと相原先輩に押し付けた。
先輩は苦笑いしながら「おお、さんきゅっ!」なんて言ってくれる。
「おめでとう御座います!……あと先輩、嘘つきましたね?」
「は?」
「空に恋してるってことですよ」
「ああ……。本当の事じゃん?」
「ちがいますよー!私が言ったのは、この上に広がってる空のことなんです!
先輩は違うじゃないですか!あの……亡くなった……」
あたしがそこまで言うと、少し困った顔をする先輩。
そして、あっと何かを思いついたように口を開く。
「……お前、もしかして卒業式体育館の壁にでも貼りついて、盗み聞きしてただろ?」
その言葉に、あたしの顔は自然にほころんだ。
そうだ、こういうことにしておこう。
だって、ずいぶん前から知っていましたなんて、相原先輩が可哀そうだから。