空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
「あの……。あたし、先輩のこと好きですっ!」
い、い、言っちゃったぁー……。
あたしはあまりの恥ずかしさに顔をあげることは出来なかった。
心臓がドクドクいっているのが分かる。
「……さんきゅーな、彩。じゃ、マネ頑張れよ」
え?
返ってきた言葉はあまりにも軽くて……
あたしはぱっと顔をあげて相原先輩を見る。
だけど、もう先輩はあたしに背中を向けていて……
え、え、え?
ちょっ!
「えっ……?返事は……」
「……今年の夏っ、藤青が連覇したら教えてやるよ」
な、なんという難しいことを……
だけど、あたしの顔にはいつの間にか笑みが浮かんでいて。
「絶対に勝ちますからーっ!」
そう、相原先輩の背中に投げつけてやった。
やっぱり、相原先輩は相原先輩だよ。
ね、空さん。
そういって、あたしは真上に広がる青空に微笑んだ。
なんだか空が今日はなんだか笑っているように思えた。