きみとはな ~さくらの季節~
出会い
如月 みお side
- さくらの季節。
それは、空白の季節。
通いなれた道、見飽きた教室、使い古した教科書、それから偽物の友情と作り上げた自分。
幼かった自分にとって、その全てがかけがえのないもので大切なものだった。
そんな私にとってさくらの季節は苦痛でしかなかった。
今まで作り上げた偽りを捨て去り、そのうえにまた偽りを塗り重ねる。
私は憂鬱な気分で新しい通学路を歩いた。
そして今年もその日はやって来た。
今年の桜は少し遅咲きで、入学式の日に満開を迎えていた。
今日から通う『私立水の杜高等学校』は学力、偏差値はそこそこでサッカーとバスケに力を入れたわりと人気の学校だった。
私がこの学校を選んだ理由は他でもない駅から歩いて3分の通いやすさと親の薦めだった。
校門を少し過ぎたところに大きなさくらの木があった。
立ち止まって見上げたら少し憂鬱になってため息をついた。
『-はぁ…。』
ん?
同じようなため息が聞こえ私は隣を見た。
そこには、私と同じように憂鬱な顔で立ち止まって桜の木を見上げるチャラそうな男子がいた。
目があったがすぐにそらした。
その男子もすぐに2、3人の女子に呼ばれてそっちへ向かった。
第一印象は最悪。
私の最も苦手とするタイプだった。
- さくらの季節。
それは、空白の季節。
通いなれた道、見飽きた教室、使い古した教科書、それから偽物の友情と作り上げた自分。
幼かった自分にとって、その全てがかけがえのないもので大切なものだった。
そんな私にとってさくらの季節は苦痛でしかなかった。
今まで作り上げた偽りを捨て去り、そのうえにまた偽りを塗り重ねる。
私は憂鬱な気分で新しい通学路を歩いた。
そして今年もその日はやって来た。
今年の桜は少し遅咲きで、入学式の日に満開を迎えていた。
今日から通う『私立水の杜高等学校』は学力、偏差値はそこそこでサッカーとバスケに力を入れたわりと人気の学校だった。
私がこの学校を選んだ理由は他でもない駅から歩いて3分の通いやすさと親の薦めだった。
校門を少し過ぎたところに大きなさくらの木があった。
立ち止まって見上げたら少し憂鬱になってため息をついた。
『-はぁ…。』
ん?
同じようなため息が聞こえ私は隣を見た。
そこには、私と同じように憂鬱な顔で立ち止まって桜の木を見上げるチャラそうな男子がいた。
目があったがすぐにそらした。
その男子もすぐに2、3人の女子に呼ばれてそっちへ向かった。
第一印象は最悪。
私の最も苦手とするタイプだった。