バスケ馬鹿にホレたバカ。
pride.
ボスッ…!
帰ってベッドに座り込んだ。
「…っく…っ…うぅ…」
顔に手を当てて泣きまくった。
心のどこかにあるプライドなんてそっちのけで…。
「バカだよね…。廉の…彼女でもないのに…っ」
彼女がいるなんて知らなかった。
そりゃ気づかないよね…。
廉がいつもと変わらない笑顔で話しかけてきてくれたから…。
ヒドイよ…。期待させといて―――――。
「こんなに傷つくんだったら…好きにならなきゃよかった…」
ヴーッ ヴーッ ヴーッ
――――――――――――――――――――――――――
受信:To.夏帆
どうした?なんで来ないの?
急用でもあった?
――――――――――――――――――――――――――
「…。」
あたしはそのメールを返信することなく、
ただただ時が過ぎるのを待っていた…。
でも…。 真実を知りたくなってしまった。
――――――――――――――――――――――――――
送信:To.廉
今日はもういいよ。
彼女と一緒に食べれば?
――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――
受信:To.夏帆
は?何言ってんの?
俺、彼女とかいないけど…
――――――――――――――――――――――――――
「嘘つき…。バカ…」
――――――――――――――――――――――――――
送信:To.廉
嘘つかないでよ…。
彼女いるくせに。
もう、行かないから…。
――――――――――――――――――――――――――
「もう、イヤ…」
前髪をぐしゃぐしゃとかき乱す。
これ以上辛い思いはしたくない。
後悔もしたくないんだよ…。
なのに…
――――――――――――――――――――――――――
受信:To.夏帆
何言ってんだよ!
俺、夏帆が来るまで待ってるから…
――――――――――――――――――――――――――
なのに何で期待させちゃうの…?
キッパリフラれたいのに…。
キッパリ諦めたいのに…。
――――――――――――――――――――――――――
送信:To.廉
もういいってば。ゴメンね…?
――――――――――――――――――――――――――
ヴーッ ヴーッ ヴーッ
――――――――――――――――――――――――――
受信:To.夏帆
夏帆、ゴメンね…?
あたしが余計なこと言ったから…。
本当にゴメン!
怒ってるよね…。
明日、放課後屋上来て?話あるから…
――――――――――――――――――――――――――
「何で麗からメールが来るわけ?
ヘラヘラしてたくせに…。
『本当にゴメン!』とかバカにしてんの!?」
――――――――――――――――――――――――――
送信:To.麗
余計なこと?ウザいんだけど。
別に自分悪いと思ってないのにそんなこと
言われても、困るのこっちなんだけど。
バカにするのも大概にしてくんない?
あたしは話すことなんか一つもない。
――――――――――――――――――――――――――
「はぁ…。人生、いいこと一つもないじゃん…」
プライド、プライド、プライドばっか。
「あぁっ!もう…!」
思いっきりスマホを床にたたきつけた。
―――鈍い音が部屋に響く…。
「もう、プライドなんていらない…」
そう言ってベッドに倒れこんだ後、
ゆっくりと瞼を閉じた…。
そこからあたしの記憶は途切れた―――…。