シフォンケーキにラズベリーソース。




また泣きそうな顔をして、彼は言う。



「俺らは、あの夏…別れて…。でも一年後…再会して…もう一度…一緒にいることを選んだ…」



「…うっ……ひっく…」



私は力の入らない右手で、必死に涙を拭う。




「…言っただろ?…俺はお前じゃなきゃダメなんだ…。そんな俺を受け入れたお前の命は…もう俺のもんだろ…?…だったら…勝手に奪うな…」






静かな病室に響く、深くて重い…彼の言葉と…、消えそうなほど弱い…私の泣き声…。




痛む左手首の、その上でさらに痛む薬指。











ねぇ…「愛を誓う」って…



人はどういう意味だと思って…



生きているんだろう…?









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