シフォンケーキにラズベリーソース。




みんなが私の名前を呼ぶ。



彼が私の名前を呼ぶ。




名前を呼ばれた私が、返事をする。






そして「生きているんだ」と実感する。








例えば、私より罪を負った人が、この世にいるんだとしても…



私は自分の罪が、一番残酷だと思えて仕方ない。





「愛する人を傷つけた」






それが愛ゆえに…だとしても…


愛する人が…許してくれたとしても…




私は、自分に「私の愛する人を傷つけた」という罪を負わせた。




それが罪なの。一生の。







その罰が、そんな自分と「生きていく」ことなの。











< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop