となりのアイツ*
♯2
放課後。
あたしは教室を出て家に帰ろうと、菜緒と一緒に下駄箱までやって来たとき…
何人かの女の子に囲まれている颯太を見かけた。
「ねぇ颯太くん。これ、今日の家庭科の授業で作ったんだ。良かったら食べて」
1人の可愛い女の子が、今日の家庭科の授業で作ったというプリンを颯太に渡した。
「おー、サンキュー。俺、甘いもん好きだから嬉しい」
あ…颯太、プリン受け取るんだ。しかも、あんなに嬉しそうな顔しちゃって…。
「…愛莉?どうしたの?」
菜緒に呼ばれて、あたしはハッと我に返る。
「えっ、あっ、ううん。何でもないよ」
やだ!あたしったら、何颯太のことじっと見てるんだろ。
颯太が誰に何をもらおうと、あたしには関係ないのに…。
なんで、こんなに気になるんだろう。