となりのアイツ*
「あ…颯太」
ちょうど学校帰りなのか、颯太は制服姿で、肩には大きなスポーツバッグをかけている。
「今帰り?バスケ部の練習はもう終わったの?」
「ああ、終わったよ。てか愛莉、すげー重たそうだけど、夕飯の買い物?」
「うん。お母さんに頼まれちゃって」
「ふーん」
颯太にしてはなんかそっけない返事だなと、少し不満に思ったそのとき…
「その買い物袋、俺が持ってやるよ」
「え?」
あたしが返事をするよりも先に、颯太があたしが持っていた買い物袋を、横から奪うように取ってしまった。