となりのアイツ*
「ねぇ、菜緒。颯太にとってあたしが特別っていうのは多分、幼なじみとしてってことだよね?」
颯太が言っていた“特別”がどういう意味なのかよく分からなくて、気になったあたしは、隣に座っていた菜緒に聞いてみた。
「え!?愛莉…それ、本気で言ってるの?」
菜緒は目を丸くしてあたしを見る。
そんなに驚くことないと思うんだけど。
「うん。だって、あたしと颯太って、ただの幼なじみって以外何もないでしょう?」
「うわー、倉橋くんかわいそう。分かってもらえないなんて。愛莉って、意外と鈍いんだね」
え?鈍い?あたしが…?
ただ疑問に思ったことを聞いただけなのに、なんでそんなふうに言われなきゃならないんだろう。