となりのアイツ*
「あー…別にいいよ。俺、全然気にしてないから。だから愛莉も、もう気にすんな。なっ?」
そう言って颯太は、あたしに優しく微笑んでくれた。
あ…。
颯太に「気にしてない」と言ってもらえて、さっきまでずっとあたしの心にかかっていた靄が、一気に晴れた気がした。
「ありがとう、颯太。
ねぇ、家に帰ってきてから何か食べた?薬は?飲んだ?」
「いや…何も食ってねぇ。薬も…まだだし。…ごほん、ごほんっ」
颯太が苦しそうに咳き込む。
「大丈夫!?颯太…。あっ、そうだ!
ご飯まだなら、あたしが何か作ってあげるよ。いつもお弁当を作ってもらっているお礼も兼ねて」
「…はぁ!?」
よほど驚いたのか、颯太が素っ頓狂な声を出す。