となりのアイツ*


「大口開けて人のことを泥棒とか人聞きの悪いこと言う暇があったら、さっさとこれ食ってろ!」


そう言って颯太は、あたしの机の上に置いてあった颯太の手作り弁当の中から唐揚げを1つ手でつまむと…


「んっ!?」

無理やりあたしの開いた口に、唐揚げを押し込んだ。


口に唐揚げを入れられたあたしは、しばらくの間おとなしくそれを食べることしかできなくて。


「どうだ?うまいか?」

颯太があたしに聞いてくる。


なんかちょっと悔しい気もするけど…


「おいしい…です」

あたしは素直に感想を述べた。



「そっか、うまいか」


颯太は満足そうに微笑むと、「弁当、ちゃんと全部食えよな」と、あたしにそう一言だけ言って、今度こそ教室を出て行った。



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