ストロベリーライフ(来孵)
苺じゃなく卵?
葛の森家は代々魔法生物飼育官を務める家系である

葛之森の広大な敷地の中には絶滅危惧種である多数の幻獣が保護され飼育、繁殖されている。
この葛之森家の飼育補佐官のお嬢さんとぼくは知り合いなのだ。

ミナヲお嬢さんは白いグリフォンに乗って現れた。
「ごきげんようツクールおじ様」
「やお、久しぶりだね」
白いグリフォンもぼくをおぼえていてくれていたようで、くちばしをすり寄せて来る。
くすぐったいよ。

「今日来たのはこれのためなんだ」
「これって‥‥‥‥‥」
彼女はぼくの抱えた苺を見て、言葉を失った。

絶滅種の卵なんて普通手に入らないからな。

ぼくらはさっそく孵卵機に卵をうつした。

「おじ様、この卵は停滞期に入っます。この中ならすぐに活性期にはいりますから」
「どのくらいで生まれんだい?」
「そうですね、5時間ぐらいです」
「そんなに早く?!」
「はい、この孵卵機の中は時間経過を早めてありますから」
「なるほどねー」
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