時わたりatラブ(仮)







お藤さんは知っているのかな…。

そればっかり考えてしまう。




今夕食の準備してるんだけど、さっきから何回も指を切りそうになってしまう。


しっかりしろ!私。







藤「お待たせさんどした。

らんちゃん、遅れて堪忍!」





いつもの笑顔で調理場にはいってくる。

やっぱり知らないで私と接してるのかなぁ。

もし、分かってて私と話してたら?







取り合えず、いつも通りにしないと!







ら「あ、大丈夫!

いつもお藤さんに頼ってばっかだし。

あのさ…正也さんっていつかえってくるの?」




恐る恐る聞いてみる。






藤「んー、たぶんあと4日ぐらいやろか。


そやから、あしたから家の整理やなんやかんやで暫くお手伝いお休みすることになってしもうて‥‥‥。」






ら「いいよ、いいよ!

そっかぁー、正也さんに会えるの楽しみ!」



精一杯の笑顔を見せる。





藤「そお?うちも楽しみ。」







優しく笑うお藤さんが、私たちに嘘をつくことなんてありえないと思いたい。







藤「ん?どうしたん。悩み事?」





ら「いやっ、べつに。なんで?」





藤「なんでって、らんちゃん悩んどる顔しとるし。」





すると、廊下をパタパタと走る音がした。





奥「お藤!ちょっと来て〜。」




藤「おかあはん、どないしたん?今すぐ?」




走ってきたのは、八木家当主の妻の奥さん。





奥「えらいすんまへん。ちょっとお藤に話したいことがあって。」





藤「ごめんな、ちょっと抜けさせてもらってもええ?」





ら「どうぞ!」










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