時わたりatラブ(仮)

翡翠「あぁ、芹沢先生どすか?

ちょっとばかり、難儀してますのや。

他の旅館でもそうなんどすか?」

土「あぁ。いつも注意はしているが、何だかんだいって屯所から抜け出しやがる。
代も、ろくに払ってないだろう?

どれぐらい貯まってる?」

翡翠「へぇ、6両ほど。」

土「6両か。それなら、なんとか。今度、都合をつけて持ってこさせる。」

翡翠「そんな、土方せんせのせいやありまへん。そやから、ええんどす。

いつか、芹沢せんせからちゃんと払っていただきます。」

土「ふん、おめぇはいい女だな。」

翡翠「うち、これでも江戸っ子どすのや。ちぃさい時に芸姑の女将さんに引き取られて。まぁ、売られたということどす。」

少し寂しそうに目をふせる。

土「そうか。いまは、幾つになる?」

翡翠「18どす。」



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