時わたりatラブ(仮)
ら「おとーさん!仕事ある?」
近「おう、らんか。
これから、お孝が屯所に忘れたものをとどけてくれるんだ。茶を頼む。
あと、この書類かいてくれないか?」
ら「はーい。」
みみず文字も土方とお父さんが教えてくれたから上達したんだ。
最初は意味不明だったけどね‥。
近「これだ。始末書。」
ら「始末書!?
なんで?」
悪いことしてないし。
近「昨日のことだ。
書き方は前に教えただろ?」
ら「う~。面倒。」
近「隊長になったらそんなのばっかりだぞ?いまのうちに慣れといたほうがいい。」
ら「了解。」
お父さんの横の机を借りて丁寧にかきはじめる。
墨だから間違えちやった、は通用しないんだよね。
ら「おし!
できた!
どうだ!?」
近「うん、なかなかじゃないか。
これでいい。」
ら「へへへ。良かった!」
孝「あの‥、旦那さま。
ごめんしとくれやす。」
可愛らしい声が響く。
たぶん、お孝さん?だよね。
近「孝か。
入りなさい。」
孝「失礼します。」
頭を下げて入ってきたのは
なんとも可愛らしい人。
だけど、歩き方にも品があって大人の人って感じもして‥。
孝「旦那さま。
この本でよろしかってどすか?
迷ってしもうて。」
ニコニコと話している。
ん~だれだろ?
すみれさんっぽい。
近「これで大丈夫だ。
すまなかったな。」
孝「いいえ。
これぐらい。いつでもお申し付けくださいませ。」
ら「あ、お茶もってきますね。」
忘れてた。
孝「あの、お構い無く。
もしかして、らんちゃん、どすか?」
ら「あ、はい!」
孝「旦那さまのご養女さんどすか。
なんや、大人っぽいから驚きました。
いつも旦那さまが楽しそうに話しておられて‥。」
ら「そうだったんですか。
始めまして、ですね!よろしくお願いします!」
孝「そや、旦那さまに頼まれとったものが ‥。」
近「持ってきてくれたのか。すまないな身重のお前に。」
ら「身重!?
お孝さん、赤ちゃんいるんですか?」
孝「へぇ、まだ新撰組の皆様にはいってないんどす。まだ、言わんといてくれやす。」
ら「はい。」
孝「これ、私が身請けしてもろうたときに旦那さまにいただいたんどす。
らんちゃん糸姫様に会うんなら、このくらい持っといた方がええて。」
近「あぁ。使わなかったらたからの持ち腐れ、だろ?」
ら「いいんですか?大切なものなのに。
わたし、お茶溢したりしちゃいそうなんですけど。」
孝「大丈夫。な、貰うてくれやす。」
ら「すみません。
ありがとうございます!」