時わたりatラブ(仮)

ら「おとーさん!仕事ある?」

近「おう、らんか。

これから、お孝が屯所に忘れたものをとどけてくれるんだ。茶を頼む。

あと、この書類かいてくれないか?」

ら「はーい。」

みみず文字も土方とお父さんが教えてくれたから上達したんだ。

最初は意味不明だったけどね‥。

近「これだ。始末書。」

ら「始末書!?

なんで?」

悪いことしてないし。

近「昨日のことだ。

書き方は前に教えただろ?」

ら「う~。面倒。」

近「隊長になったらそんなのばっかりだぞ?いまのうちに慣れといたほうがいい。」

ら「了解。」

お父さんの横の机を借りて丁寧にかきはじめる。

墨だから間違えちやった、は通用しないんだよね。





ら「おし!

できた!

どうだ!?」

近「うん、なかなかじゃないか。

これでいい。」

ら「へへへ。良かった!」

孝「あの‥、旦那さま。

ごめんしとくれやす。」

可愛らしい声が響く。

たぶん、お孝さん?だよね。

近「孝か。

入りなさい。」

孝「失礼します。」

頭を下げて入ってきたのは

なんとも可愛らしい人。

だけど、歩き方にも品があって大人の人って感じもして‥。

孝「旦那さま。

この本でよろしかってどすか?

迷ってしもうて。」

ニコニコと話している。

ん~だれだろ?

すみれさんっぽい。

近「これで大丈夫だ。

すまなかったな。」

孝「いいえ。

これぐらい。いつでもお申し付けくださいませ。」

ら「あ、お茶もってきますね。」

忘れてた。

孝「あの、お構い無く。

もしかして、らんちゃん、どすか?」

ら「あ、はい!」

孝「旦那さまのご養女さんどすか。

なんや、大人っぽいから驚きました。

いつも旦那さまが楽しそうに話しておられて‥。」

ら「そうだったんですか。

始めまして、ですね!よろしくお願いします!」

孝「そや、旦那さまに頼まれとったものが ‥。」

近「持ってきてくれたのか。すまないな身重のお前に。」

ら「身重!?

お孝さん、赤ちゃんいるんですか?」

孝「へぇ、まだ新撰組の皆様にはいってないんどす。まだ、言わんといてくれやす。」

ら「はい。」

孝「これ、私が身請けしてもろうたときに旦那さまにいただいたんどす。

らんちゃん糸姫様に会うんなら、このくらい持っといた方がええて。」

近「あぁ。使わなかったらたからの持ち腐れ、だろ?」

ら「いいんですか?大切なものなのに。

わたし、お茶溢したりしちゃいそうなんですけど。」

孝「大丈夫。な、貰うてくれやす。」

ら「すみません。

ありがとうございます!」



< 248 / 379 >

この作品をシェア

pagetop