時わたりatラブ(仮)
ら「池田屋ですか?」
市「ええ。
蘭之助さまお話出来て楽しかったです。
ありがとう存じました。」
ら「いえ。わたしも楽しかったです。お気をつけて。」
ペコリときれいに頭を下げてお店から出ていく。
池田屋ってあの池田屋だよね?
新撰組の幕末の分かれ道ともいわれる。
平助くんが怪我して沖田さんが倒れる、あの。
とっくに起きていいはずの事件がまだ起きていない。
ということは、そろそろ‥なの?
告白のこと池田屋のことが頭をぐるぐる巡ってショートしちゃいそう。
落ち着け。
と、取り合えずお団子追加!!
ら「女将さん!お団子追加!」
「はーい。よう食べはりますなぁ。」
お皿のお団子をもぐもぐたべて整理をする。
ほら、池田屋っていかにもありそうな名前だしほかのお店かもしれない。
と、思っておこう!!
恋文の返事は恋愛マスターの土方に書いてもらって‥‥‥。
「よう。呑気なもんだなぁ。
女隊士さん。」
ら「っ!!」
聞き覚えのある声に身構え抜刀しようとしてしまう。
「まぁ、落ち着け。
俺は団子を食いにきた。」
ら「そうですか、岡田さん。」
大人なトーンの声をした覆面の男は岡田以蔵。
岡「きのう襲われたってのにノコノコ祇園にくるなんて浅はかだなぁ。」
ら「‥‥‥。」
岡「なーに黙ってんだ。」
ら「‥しゃべることがないからです。」
岡「そうか。
お前みたいな女は始めてだ。
髪の短い、そっけない、剣の強い。
ますます、興味深い。」
ら「ふーん。」
岡「俺は人斬りだ。
恐怖はないのか?」
ら「全く。新撰組の隊士ですから、そんなんでびびってられません。」
岡「そうだろうな。
あの斬るときの躊躇のない目は狼だ。
いまは、花畑の卯みたいなもんだけどな。」
ら「なにそれ‥。
誉めれないし。」
それまで顔を反らしていたけどふと岡田をみてみる。
黒の装束に所々みえる染み。
任務の後なのかな?
手のこうを怪我してる。
ら「お前、怪我してるけど。」
岡「ふん。土方にやられた。
大したことはない。」
ら「手かして。」
岡「なんだ‥‥?」
ら「いいから。」
恐る恐る手をだしてきた岡田の手首を掴み、常備している手拭いで簡単に手当てをする。
岡「お前、俺の敵じゃないのか?
なんで、手当てをしてるんだ。」
ら「父から、嫌いだったけど、医者だった父に幼いころ言われました。
怪我をしているものは敵味方なく助けなさいって。
それに、もしこれから戦うとき怪我をした岡田さんに手加減したくないんで。」
岡「そうか‥‥‥。」
パッパと終わらせて席をたつ。
ら「じゃ。さよーなら。」
岡「あぁ。
次会うときは勝負だ。」
ら「りょうかい。」