時わたりatラブ(仮)
暫く走って、角屋に付いた。
結構疲れた。
沖「ゴホッ。らんさん入りますよ。」
ほら、また咳き込んだ。
走ってる時もケホケホ言ってたし。
って、沖田さん先入っちゃったよ。
ら「置いてかないで下さいよ。」
沖「ボーッとしてるらんさんがいけないんですよ。
あのー、女将さんいらっしゃいますか?」
二階で話声がするからなんかやってるのかな。
「へぇ、いま行きますえ。」
ぱたぱたと音がして女将さんが出てくる。
沖「女将さん今日は宜しくお願いします。」
ら「お願いします。」
「いえ、此方こそ。うちはお客さんのお手伝いをさせてもろうてるだけやさかい。なーんも問題あらしまへんえ。
さ、どうぞお上がりやして。」
やっぱり、京都弁は素敵だな。
落ち着く。
二階に上がって通されたのは奥の間。
広くて部屋がくろく統一されている。
「今日は、池田屋に行かはるどすやろ。うちは女将やさかい、幕府、長州と区別して御世話はできません。
そやけど、どちらさんにも加担しないゆうことは情報を漏らすことないと思うて下さい。お願いどす。」
沖「もちろんです。場所を貸してくださるだけで十分です。」
「おおきに。ほんなら失礼します。」
女将さんが出ていったことを確認して沖田さんが話始める。
沖「らんさん、今ので分かったと思うんですけど此処には浪士もいるっていう事です。だから、内密に事を勧めないと。」
ら「そうですね‥。だけど、芸子さんとか、いい味方がいるともっと有難いんですけど。」
沖「ふふっ。
そう思って助っ人を呼んだんです。
どうぞ、入ってください。」
「失礼します。」
そういって入ってきたのは、
「駒野どす。近藤先生の妾言えばお分かりなりになりますやろ。」
知ってる!
いまは、お孝さんだけど、前にもう一人囲っててそれが駒野さん。
ら「はじてまして。らん、と言います。」
沖「駒野さん、すみません。こんな、ところまでご足労いただいて。」
「いえ。うちも芸子の一端どす。
そんくらいしかお役に、たてません。」