時わたりatラブ(仮)





そう言うと、にんまりと笑ってすたすたとその場を去ってしまう翡翠。



ら「待って!」





慌てて追いかけようとするが、当然そうはいかない。




「覚悟ぉぉぉぉっ!」




ら「っ!!翡翠の‥‥!」




翡翠の狙いはなんだ

そう聞きたかったけど言葉を発する前に浪士が一気に襲いかかってくる。




ら「やぁぁぁっ!」



ざんっ


鈍い音とともに、目の前の浪士を斬る。

だけど動きでは勝っても人数で劣る。

わたしの方が圧倒的に不利だ。

頼みの十悟や沖田さんもそれどころじゃないだろうし‥






ら「!!!」




横を刀が掠める。

退かなかったら斬られてた

相当本気なんだろう。

気を抜いたらすぐに殺られる。

死と隣り合わせなんだ‥‥。

でも!

でも、ここで死ぬわけにはいかない。
















ら「はぁ、はあっ。」




体力が半端じゃないほど消耗されてく。

相手は5人。

斬っても斬っても何処からともなく加勢がくる。




ら「いっ!!」





鋭い痛みに腕をみる。

いつの間に‥‥‥!?

手をかばいながらだと、この戦闘はくぐりぬけない‥。




ダダダダダッ






なにかが廊下を走る音にはっと顔をあげる。




「なんだ!?

敵か!!」





そんな!

これ以上敵が増えたら‥。

どんどん着物もどす黒い色に染まっていくし。





「らんさんっ!!

無事!?」




ら「‥‥十悟‥。」




この声は十悟だ!!



ら「よかった‥‥。」






これでなんとか戦える。

その時

十悟が目を見開く。




「!!

らんさんっ!!危ねぇっ!」





ら「え?」




パンッ





乾いた音が近くで聞こえる。

これは銃声‥?

その瞬間、肩に激痛がはしる。

血が尋常じゃないほど溢れ、足元がおぼつく。




いまので打たれたんだ、私。


体から力が抜けて意識が飛んでいって十悟がなにかを叫んでいる。



もう、終わりだ‥‥。



そう思った時、完全に意識がなくなった。





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