時わたりatラブ(仮)
お藤さんに思わず抱きついてしまう。
ら「よかった…、元気そうで‥‥。」
藤「らんちゃんこそ‥。
うちも会えて嬉しいわぁ。」
にっこりと優しく笑う顔は全然変わってなくて、私まで涙が出てきた。
藤「もう、らんちゃんまで!」
ら「だって、嬉しいんだもん。
二度会えないって覚悟してたし。」
藤「うちもや。
ほんに、しばらく見ないうち大きゅうなりはって。」
お藤さんの優しい笑みで不安が少しずつなくなっていく。
ら「そうかな?」
藤「うん。
でも‥‥こんな形で会うことになるなんていいんやら、悪いんやら。」
ら「?
どういうこと?」
藤「此処は長州側の隠れ邸。らんちゃんは敵方の人として此処にいるんや。」
ら「ということは、拉致られてるって言うこと?」
藤「まぁ、そないなとこや。
そやから、うちらは仲良うしてはいけん関係。正也が特別にらんちゃんのお世話を了承してくれてこうして話せるんやけど‥。」
そりゃあ翡翠が私の事を簡単に放っておくはずがないもん。
ら「そうだったんだ‥。
わたし、どうなっちゃうんだろ?」
藤「二日前に此処に運ばれて、ずっと熱で寝込んでたんえ。
傷もまだいえてへんしなぁ。」
ら「そうだよね、ごめんね。お藤さん敵方なのになんか誤解されちゃったら申し訳ないや。」
藤「ううん。
平気。とにかく、元気になり?
ここに薬置いとくさかい。
うち、正也呼んでくる。」