時わたりatラブ(仮)
ら「止まってよ!!
らんだよ!!」
出来るだけ大きく叫ぶ。
それが、新撰組に聞こえたかは分かんないけど隊に戻れるような気がほんの少しした。
ワイワイとにぎやかな通りになってきたのか、人の笑い声や話しが一段と大きく聞こえる。
賑やかな所と言えば、
遊廓?
花街?
どこだろ‥‥。
いい加減、酔ってきたよ。
吐きそうかも。
目を閉じて、ゆっくり息をはく。
「付いたで。
降りぃや。」
そう言われて、はっと目を覚ます。
あー、寝てたんだ‥‥。
場所が分からないように室内に籠運ばれてますよ。
黙って、籠からおりて示された部屋に入る。
前までいた部屋より狭くて暗い。
こんどは、ここで過ごすのか。
それより、どこここ。
起きてれば、開けた穴から場所分かったかも知れないのになぁ。
馬鹿だ、わたし。
「入るえ。」
この声は翡翠。
ら「なんですか。」
翡翠「どうや、この部屋。
気に入ったやろ?」
ら「おかげさまで。」
翡翠「あんたさっき、新撰組に自分はここにいる、って叫んだらしいな。」
ら「‥‥‥。」
翡翠「言うたやろ、少しでも逃げようもんなら容赦せぇへんて。」
ら「逃げようとはしてないし。」
翡翠「まぁ、ええ。
明日から、楽しくなるんや。
今日はゆっくり休んどき。」
ふふふ、と上品に笑うとさっさと出てってしまう。
明日から、楽しくなるってどいうこと?
もう、意味わかんないよ。
お藤さんも多分ここにはいない。
翡翠と一対一。
ら「辛すぎる‥‥。」
あんがい、気楽に過ごせてると思ってたけどストレスがたまってイライラするし訳もなく泣きたくなってきた。