時わたりatラブ(仮)
ギィと重い音とともに背の高いシルエットが見える。
岡田「オイ、なんだぁこりゃ。女のやることじゃないだろ。
翡翠、お前どうしたんだ。」
岡田が翡翠に触れようとすると、翡翠はきっと身を避ける。
翡翠「うるさい!!
あんたには関係ないやろ!?
うちがなにしようとどうでもええやろ!!」
岡田「あぁ、関係ねぇな。」
そう言って私に近づいてくる。
岡田「嬢ちゃん、大丈夫か?
いや、大丈夫じゃねぇな。」
ら「っぅ!!!」
斬られた所を止血される。
岡田「取り合えず押さえろ。あとでちゃんと処置してやるからさ。」
コクコクと頷くと優しく笑う。
翡翠「なんで、なんでその娘に執着するん‥‥。」
岡田「剣を振るう女子が珍しい、いつか手合わせしたいしな。
それだけだ。
翡翠、前にも言ったがあの事は嬢ちゃんには関係ない。
やり過ぎんじゃねぇ。
こいつ死なせたら翡翠もただじゃすまねぇぞ。
わかったら、翡翠こっから出てけ。」
殺気を含んだ目で翡翠を一瞥すれば怖じけづいた翡翠がすたすたと蔵を後にする。
ら「よかっ、た‥。」
翡翠がいなくなった安心感で体から一気に力が抜ける。
岡田「俺が出来るだけ此処に来てやるから安心しろ。
翡翠はやり過ぎだろ。」
ら「んで、なんでそんなに優しくしてくれるの?」
岡田「優しくなんかねぇよ。
1度手合わせしたい、それだけだ。」
ら「そ‥‥。」
喋ろうと顔を上げるけど、岡田の顔がはっきり見えない。
岡田「!!どうした?おいっ!
おまっ、血が‥‥!」
クラクラする頭で必死に耳を傾けるけどその言葉を最後に私の視界はまっくらになった。