時わたりatラブ(仮)
返り血を浴びた顔をぬぐい
思い扉をひらく。
本当にこんなところにらんがいるのか?
ギィィ
重い扉を押して開く‥
真っ暗なそこには
土「‥!!」
倒れているらん。
なんでこんなにやなってやがる!!
罪悪感と怒りとで自然と手に力が籠る。
土「らん!」
ら「え‥‥。」
慌てて駆け寄ると驚いたように虚ろな瞳でこっちをみるらん。
ぎゅっ
ら「ひじ‥。」
これ以上傷つかねぇように優しく抱き締める。
土「遅くなってすまない‥。
悪かったな‥。」
ら「うんん、ありがとう‥土方。」
あぁ、久しぶりに聞いたならんの声。
安心する声をきいてより近くに抱き寄せようとすると
目にはいったのがらんの首筋の切り傷。
土「おまっ、怪我‥。」
かなりの出血してるし顔もはれてる。
土「大丈夫か!?
こんなことしてる場合じゃねぇ!すぐにこっからでるぞ!」
立ち上がってらんを抱き上げる。
ら「うわっ///」
恥ずかしがるらんに思わず笑みがこぼれる。
というより、軽すぎやしねぇか?
土「なに恥ずかしがってんだ。
んなこと気にするな。
それにその怪我じゃ歩けねぇだろ?」
ら「ばれちゃった?」
顔色悪いくせに、笑ってやがる。
土「無理してしゃべるな。
安心しろすぐに医者を呼ぶ。」
平気そうな顔して本当は辛いだろうな‥。
跡ものこっちまうだろうし。
そんなことを考えてると罪悪感だけが増してくる。
ゆっくりと歩いて蔵の外に出る。
こんな暑い日なのにやっぱり月がきれいだな‥。
ら「ねぇ。」
土「ん?」
ら「月、綺麗だね。」
土「あぁ。」
同じ事を考えてたのかと思うと自然と笑みが溢れる。
やっぱり俺はらんがいると変になる。
だが、それ以上にらんがいるとやっぱり落ち着くな‥。
安心した顔のらんの顔を見て池田屋の外に歩きだした。
土方SIDE おわり