時わたりatラブ(仮)
金木犀が薫る縁側で二人並んですわる。
土「はぁ、少し飲みすぎたな。」
軽く酔ってるのかほおがほんのり赤い。
ら「今日はみんな嬉しくなっちゃうよ。すみれちゃんみたいに可愛い娘が新撰組に来てくれたんだもん。」
土「あぁ‥。あの二人には幸せになってもらわれねぇとな。」
ら「そうだね。」
秋の夜は少し寒くて腕をさする。
土「寒いのか?」
ら「ちょっとね?」
土方のほうを向くと少し離れていた距離が近づいていて
馴れてるはずの距離なのにドキドキしてしまう。
思わず顔をそらすと意地悪な笑みをうかべて
土「寄ったほうが寒くねぇだろ?」
と肩を抱かれる。
う~、誰か通ったら恥ずかしいじゃん!
‥でも、確かに暖かい、かも。
ら「‥‥ありがとう。」
一応、お礼は言わなきゃね。
土「いつか。」
ら「ん?」
土「いつか、戦が落ち着いたら血の気のないところで新撰組の仲間とのんびり過ごしたいな。」
ら「うん!でも、なんか土方らしくないね。」
現代に伝わる土方ってもっと血の気の多いイメージがあるんだよね。
土「そうか?」
ら「ほら、戦って死にたい、みたいな感じかと思ってたから。
ある程度覚悟はしなきゃなーなんて。」
土「馬鹿か。らんがいるのにそんな物騒な未来思い浮かべられるか。」
ら「馬鹿じゃないから!
でも、良かった~。土方死んじゃったら一生悔やむよ。」
土「一生は長くねぇか?あと、外の国に旅もしたいな。」
ら「あれ?西洋嫌いじゃないの?」
土「まあな。でも西洋の銃やら薬やら見てると少なからず感心すんだよ。
仕組みはどうなってんのかって。」
へぇ~以外。
ら「確かに‥。
西洋の銃は性能がいいよね。距離も命中率も。新撰組もそろそろ買っとかないと長州薩摩に買い尽くされる。」
土「そうなのか?」
ら「うん。新撰組も幕府も最先端の武器をどんどん使わないと、負ける。」
その意味を理解したのか悩むような顔をする。
土「分かった。
さっそく、仕入れされる。」
ら「うん。」
土「あぁ。眠くなってきたな。
そろそろ寝るか?」
ら「そうだね~。
あ!明日朝稽古だーっ。眠いよ‥。」
最悪じゃー。
土「病み上がりさんは無理するなよ。」
ら「はい!」
土ら「おやすみ。」
にこやかに笑って隣り合わせだけどそれぞれの部屋にもどった。
今日は幸せな一日だったな…
こんな日が続きますように。