時わたりatラブ(仮)
土方と別れて馬の用意をしていると
「らん?」
と久しぶりに聞いた声。
ら「照之助くん!」
特別隊の一員の照之助だ。最初は私が隊長になる事に反対していたけど今は優しいお兄さんみたいな存在だ。
昭「副長に頼まれたんだ、着いていけってな。一人じゃ心細いだろ?」
馬を引きながら歩いてくる。
馬術も昭之助の指南のおかげでなんとか乗れるようになったし…。
ら「お願いします!」
昭「よし、行くか。」
足を鞍にかけて出発をする。
ら「松平公は黒谷…光明寺だから、たぶんこっちのはず。」
馬を右に走らせようとすると
昭「いや、こっちな?」
ら「すみません…。」
と止めてくれる。
馬の走らせてからしばらく、地理が不十分な私を事あるごとにちゃんとした道に戻してくれる。
土方いい判断してくれてほんとに感謝!!
一人だったらたどりつけてない。
周りは怖いほど静かで戦だからか、活気は感じられないし人はいない。
ら「戦のせいで京の街がこんなになるなんて。」
昭「あぁ。徳川に刃をむけるなんて少し前には考えられなかった。長州のやつ、何て事しやがるんだ。」
悔しそうに顔を歪める。
昭之助くんの家は元武家だから徳川への忠誠心はあついんだろう。