時わたりatラブ(仮)
暫く3人で話した後、
土方はご近所さんに隊士募集の要項と挨拶をしに出かけてしまった。
お信さんと2人かぁ…
ちょっぴり緊張する。
信「らんちゃん、ちょっと良いかしら?」
ら「はい!」
元気よく返事をした私にくすくすと笑いながら私のそばに座った。
信「あのね、歳三が特定の女の子とお付き合いするなんて思ってもいなかったのよ。
いつもフラフラして夜遊びはするわ、何もしないわ、本当に駄目な弟だった。
けど、京に行って歳三は変わってしまって、凄く大変な思いもしてると思うの。だからこそ歳三には気を休められる所が必要。
あんな弟に付き合ってくれてありがとうね。
姉として、これからも宜しくお願いします。」
お信さん……
そんな事を言ってくれるなんて、思ってもみなかった。
ら「はいっ。私こそ宜しくお願いします。」
信「うん、らんちゃんなら歳三を任せられるわね。」
満足そうに笑うお信さん、こんなお母さん欲しかったなぁ。
信「じゃあ夕飯の仕度するからお風呂でも入ってくつろいでてね。」
ら「あっ、あの…お手伝いさせてください!」
信「あら、いいの?
助かるわ、だったら着替えてさっそくお願いしちゃおうかしら。」
ら「着替えきますね!」
お信さんから受け取った着物を着て、台所にたつ。
手伝います、なんて言ったけど料理久しぶりだしすんごく腕が鈍ってたりして…。
そう考えるとさーっと冷や汗が流れてくる。
料理の出来ない女の子ってこの時代でどうなの?まずすぎるよね?
信「じゃあ、お米炊いてくれくれる?」
よかった…お米ならばっちり平助くんに教えてもらってる!
ら「了解です!」
信「ふふ、なんかあったら言ってね。」
そうして暫く料理をしているといい匂いがしてくる。
ら「わぁ!!」
鍋を覗くと鯛の煮付けが良い煮込み具合になっている。
信「好き?」
ら「はい、とっても!」
久しぶりの豪勢なごはんでヨダレが垂れそう!
「ただいま。」
ご飯が出来上がった頃合いにちょうど土方が帰ってきた。
ら「おかえり〜!」
土「お、いい匂いだな。」
ら「うん、鯛の煮付けだって。」
土「にしても、らんが割烹着か…。」
ら「あぁ、お信さんが貸してくれたんだ。」
土「なかなかにあって……。」
そう言って黙る土方。
そこで止める!?
ら「る?」
土「ない。」
ら「え〜〜!!」
土「嘘だよ。似合ってる、いい奥さんになりそうだな…。」
ら「っ……。」
いい奥さんになりそうって、嬉しい…。
ポカーンとしてる私に苦笑して部屋に入っていってしまう。
信「らんちゃーん!
お米炊けてるわよ〜。」
ら「あっ、はい!」
浮かれるな、自分。
ニヤニヤしてたら怪しすぎるだろ!
土方の言うことは詐欺っぽいし、女たらしだかもんね!!